今日の、世界のBIM事情

2017年新入社員施工図研修　　　2019年新入社員施工図研修

2013年新入社員研修　2017年BIMx　2025年動画

ビルディング・インフォメーション・モデリング（BIM=Building Information Modeling）は、建設業界のデジタル化を牽引する技術として、世界中で急速に普及しています。以下では、2025年12月時点のBIM義務化状況を日本と比較し、主要国・地域の動向を表形式でまとめます。世界は、すでに高度な義務化が進んでいます。グローバルな視点を提供します。また、BIMの基盤となる共通データ環境（CDE=Common Data Environment）の進捗も併せて紹介します。

日本と世界のBIM義務化状況

日本は国家レベルの義務化がなく、任意導入中心ですが、他の国々は公共プロジェクトでBIMを標準化しています。表で比較し、各国の進捗を明確にします。2025年現在、日本国内のBIM普及率は約58.7%と推移しており、公共工事での原則適用が進んでいます。

国/地域	BIM義務化状況（2025年現在）	CDE進捗（2025年現在）	日本との比較（日本は任意中心）
日本	国家レベルの義務化なし。国土交通省のi-Constructionにより、2026年4月からBIM図面審査導入予定。生産性20%向上を目指す。普及率58.7%。	確認申請用CDEの説明会が2025年夏～秋に複数開催中（設計者・確認機関・消防向け）。2026年春のBIM図面審査に向け、審査機関・消防へのCDE導入が試行段階。ICBAが主導し、オンラインプラットフォームでBIMモデル共有を推進。ただし、審査機関の一部でCDE未導入が課題。	-
UK	2016年から全公共プロジェクトでBIM Level 2義務化。2025年までにLevel 3（完全デジタル統合）へ移行完了。コスト削減効果は2011-2015年で約42億ドル。	ISO 19650準拠のCDEが標準化。Autodesk BIM 360などクラウドCDEが広く採用され、プロジェクトチームのリアルタイム共有を実現。メガプロジェクトで必須。	日本より10年先行。公共プロジェクトの完全義務化で、デジタル化の水準が高い。CDEの成熟度で日本をリード。
フランス	2017年から公共プロジェクトで義務化。2022年までに全プロジェクト完了、インフラ分野で標準化。	CDE運用がBIMユースケースの基盤。政府主導のプラットフォームでデータ管理を強化。EU基準に準拠。	日本より公共分野で義務化が進み、インフラ活用が成熟。CDEの統合が日本より進展。
ドイツ	2020年から交通インフラで義務化。2025年までに全公共プロジェクトへ拡大。Digital Strategy 2025の一環。	CDEのAPI化が進み、IFC5.0対応。連邦レベルで標準運用。	日本よりインフラ分野で先行。2025年の拡大が日本の目標と同時期だが、義務化の強度が高い。CDEのデジタル戦略が先進的。
イタリア	2019年から大規模公共プロジェクト（100万ユーロ超）で義務化。2025年から全プロジェクト対象。	CDEを活用した中小規模プロジェクトのデータ共有が普及。EUガイドライン準拠。	日本より段階的義務化が進み、民間でも需要増。中小規模プロジェクトの義務化が日本に先んじる。CDEの柔軟性が強み。
スペイン	2018年から200万ユーロ超の公共プロジェクトで義務化。2025年から1000万ユーロ超の調達で強化。国家BIM戦略（2023年）推進。	国家BIM戦略内でCDEを義務化。IFC形式の共有環境が整備。	日本より公共調達での義務化が明確。IFC形式使用の標準化が進む。CDEの調達連携が日本に影響。
ノルウェー	2011年から地方・地域プロジェクト（270万ユーロ超）で義務化。公共建築（67.7万ユーロ超）も対象。	早期CDE導入でインフラデータ管理を最適化。北欧モデルとして共有。	日本より早期義務化。先駆国として大規模インフラで活用。CDEの長期運用が安定。
デンマーク	2007年頃から公共プロジェクトで義務化（Level 2）。政府所有建物で必須。	CDEが政府建物管理の標準ツール。15年以上の実績。	日本より15年以上先行。北欧の早期採用モデル。CDEの成熟が日本普及の参考。
スウェーデン	1991年からガイドライン発行。公共プロジェクトで義務化。導入率が高い。	長期CDE運用で民間普及。オープンスタンダード推進。	日本より長期的な推進。民間普及も進む。CDEのガイドラインが日本に示唆。
フィンランド	2007年から公共プロジェクトで義務化。建築事務所93%が導入済み。	CDE採用率トップクラス。93%の事務所で活用。	日本より早期義務化。北欧トップの採用率。CDEの高普及が日本課題解決のヒント。
ポーランド	2030年までに国家予算プロジェクトで義務化予定。現在は契約ベース。BIM Standard PL使用。	EU影響でCDEガイドライン策定中。契約ベースで導入。	日本と同様、完全義務化は今後だが、EU影響で加速中。CDEの契約活用が共通。
シンガポール	2015年から5000㎡超のプロジェクトでBIM電子提出義務化。CORENET XでIFC-SG形式推進。	CORENET XがCDE基盤。電子提出のCDE義務化が厳格。	日本より電子提出の義務化が厳格。生産性向上効果30%見込み。CDEの電子化が先進。
韓国	公共プロジェクト（一定規模超）で義務化。KBIMS標準使用、デジタルツイン統合。	KBIMS内でCDE統合。国家基準でデータツイン対応。	日本より公共プロジェクトの義務化が進み、国家基準が整備。CDEのツイン連携が未来志向。
中国	2020年から大規模インフラで義務化。"Made in China 2025"の一環。高速度鉄道などで活用。	国家戦略でCDE急速導入。高速度インフラで実証。	日本よりインフラ義務化が急速。国家戦略として推進。CDEの規模拡大が目覚ましい。
オーストラリア	2016年から5000万ドル超の政府インフラプロジェクトで義務化。国家BIM戦略（2012年）に基づく。	連邦CDEフレームワーク。インフラデータ管理に特化。	日本よりインフラ分野の義務化が明確。連邦レベルで推進。CDEのインフラ特化が参考。
香港	3000万HKD超の資本工事で義務化。2029年までに民間セクター拡大予定。	CDEで民間拡大準備。2029年目標でクラウド移行。	日本より大規模工事の義務化が進む。民間拡大が近い。CDEの民間移行が日本に影響。
米国	国家レベルの義務化なし。GSAやUS Army Corps of Engineersで500万ドル超のプロジェクト義務化（2003年～）。採用率72%。	Autodesk Construction CloudなどCDEが普及。特定機関で標準。	日本同様、国家義務化なし。ただし、特定機関の先行導入が長い。CDEの機関別活用が類似。
カナダ	義務化なし。CanBIM主導のガイドラインで公共プロジェクト推奨。2025年までに標準化推進。	CanBIMガイドでCDE推奨。2025年標準化中。	日本と似た任意中心だが、地域差を考慮したフレームワークが整備。CDEのガイドラインが共通課題。
ブラジル	2021年から連邦プロジェクト（既存建物改修等）で義務化。Decree 10.306/2020に基づく。	連邦CDEで改修プロジェクト管理。ラテンアメリカ先駆。	日本より連邦レベルで義務化。ラテンアメリカの先駆け。CDEの改修活用が新興国モデル。
アルゼンチン	2025年から全公共工事で義務化予定。SIBIM計画（2019年）。	SIBIM内でCDE準備。2025年義務化に連動。	日本と同時期の義務化予定。ラテンアメリカで急成長。CDEの同時導入が注目。
チリ	2020年から政府プロジェクト義務化。PlanBIM推進。	PlanBIMでCDE義務化。新興国で先進。	日本より公共プロジェクトの義務化が進む。新興国で先駆。CDEの政府推進が参考。
ペルー	2019年から公共プロジェクト義務化。Peru BIM Plan。	Peru BIM PlanでCDE標準化。モデルケース。	日本より早期義務化。ラテンアメリカのモデルケース。CDEの計画性が日本に示唆。
UAE（ドバイ）	2013年から40階建て超または30万㎡超のプロジェクトで義務化。建築許可申請で一部必須。	CDEで都市開発データ管理。許可申請に必須。	日本より大規模プロジェクトの義務化が長く、都市開発で活用。CDEの許可連携が先進。
ロシア	2022年から連邦契約で義務化。全政府プロジェクト対象。	連邦CDEで急速導入。2022年からの実績。	日本より連邦レベルの義務化が進む。2022年からの急速導入。CDEの連邦統一が強み。
エチオピア/タンザニア/ナイジェリア（アフリカ諸国）	導入初期。公共プロジェクトで推奨。2025年までにガイドライン策定予定。	CDEガイドライン策定中。アフリカ加速。	日本より初期段階だが、アフリカでのBIM推進が加速中。CDEのガイド策定が共通フェーズ。

BIMとCDEの最新ニュース：日本での進展と課題

2025年12月現在、日本では国土交通省主導の「BIM図面審査」に向け、確認申請用CDEの説明会が活発化しています。8月から11月にかけて、設計者向け、確認機関向け、消防向けのオンライン説明会が複数開催され、ICBA（建築行政情報センター）がBIMモデル閲覧や指摘事項共有の機能を備えたプラットフォームを整備中です。これにより、2026年春の審査開始を目指し、申請者と審査者の効率化が期待されます。一方、審査機関や消防の一部でCDEの導入が遅れている点が指摘されており、BIM普及のボトルネックとなっています。世界ではCDEがBIMの標準ツールとして定着しており、日本もISO 19650準拠のオープンCDEを推進中です。このような動きは、業界全体のデジタル化を後押しする一方で、早期のスキル向上とシステム投資が求められています。

BIMの価値と今後の展望

BIMは、設計・施工・運用・保守のライフサイクル全体でコスト削減（10-20%）や効率化を実現します。特にESG対応やデジタルツインとの統合により、持続可能な建設への貢献が期待されます。日本では、地震多発国としての耐震シミュレーションなど独自の活用が鍵ですが、世界の義務化トレンドを見ると、早期導入の重要性が明らかです。中小企業や私的プロジェクトでの採用遅れが課題です。CDEの進展により、データ共有の障壁が解消され、グローバル競争力が向上するでしょう。

まとめ

世界では欧州やシンガポールがBIM義務化の先頭を走り、日本は2026年に向けた動きが加速中です。日本から見て発展途上の国々も、すでに高度な義務化を進めています。BIMは資産価値向上やM&Aでの「のれん代」評価にも影響を与える可能性があります。業界全体での標準化とスキル向上が求められます。CDEの導入がBIM普及の鍵となり、審査機関への対応が今後の焦点です。

本ページは、xAIのGrokに作ってもらいました。（情報は2025年12月4日時点）